2012年08月24日

【ものづくり】何事にも自分でチャレンジ“やらまいかスピリッツ”

櫛谷社長自身、クシタニのレーシングスーツを着てレースに参加していたライダーでもあり、また今年61歳になられた現在でも、自社の製品を実際に着てツーリングに出かけるなど、現役の製品テストライダーでもあります。ライダーのための製品を作るメーカーであるならば、同じ視点で考えなければならない。そうすれば、自分が良い悪いと思う部分は、きっと他のライダーも同じことを感じている。

 そうした中から生まれ出てきた技術に、レーシングスーツの撥水加工があります。ご存知の通り、革は水を含むと重たくなり、レーシングスーツとなると、それがライダーの動きを妨げることになります。
 従来の革製品の撥水加工は、革の表面だけを処理する対応がほとんどでしたが、長く着ていただく一般のライダーにとっては、擦れることで次第にその効果が無くなってしまいます。また、レースの世界でも夏のレーシングスーツはパンチングメッシュと呼ばれる革に細かい穴が開いた加工が施されており、表面処理だけでは雨だけでなく、汗の影響にも対応することができません。クシタニでは、その弱点を革の繊維層までフッ素を浸透・吸着させることで、革自体の撥水性を高める技術を開発しました。

 実は、この技術は、櫛谷社長自身のアイデアが元となっています。また、通常最新のテクノロジーは、レースで培われ、それを一般の製品にフィードバックするのがセオリーです。しかしながら、この技術は、櫛谷社長のツーリングテストから生まれたアイデアが元で、それがレース界に広がりました。

 自身が自社製品のテストで、ツーリングを行っている時に、「ライダーの恰好は“お洒落じゃない”」「オートバイで出かけても“お洒落なレストランに入るには抵抗がある”」と常々感じていたそうです。その頃の若者はジーパンが主流でしたが、冬にオートバイを乗るには寒く、もちろん革の安全性もありません。そうしたなか開発されたのが、今ではクシタニのロングセラー商品となった“ウォッシャブル”の革パンツ「EXPLORER」です。ジーパンのような見た目と、使い勝手(洗える)は、ライダーの恰好悪さを払拭する画期的な商品でした。この“ウォッシャブル”の技術は、ツーリング時の突然の雨にも“濡れて重くならない”というメリットがあり、それが今日のレーシングスーツに活かされています。

 お話を伺っている中でも、次から次へと櫛谷社長のライダーとしてのアイデアが沢山出てきます。「最近は、年配者向けの“脱ぎ着しやすい革ツナギ”を開発しようかなと考えたりしているんですよ」と目を輝かせる社長。一般のライダーも高年齢化が進んでいるといわれています。等身大の自分と照らし合わせ、自分が“今”しか感じられないことをまず“カタチ”にしたい。そうしたクシタニに息づくスピリットは、レース界だけでなく、全てのライダーに対しても心強い存在であり、櫛谷商店の時代から変わらずにライダーから愛され続ける理由なのかもしれません。
【ものづくり】何事にも自分でチャレンジ“やらまいかスピリッツ”
クシタニ本社には、ライダー達が実際にレースで着た同社製のスーツがたくさん保管されている。ワイン・ガードナーやランディ・マモラのスーツもあり、まるで博物館のよう。多くのライダー達に愛されてきたクシタニの歴史が垣間見える



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Posted by 出世大名家康くん at 09:16│Comments(0)ものづくり
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