2012年08月21日

【ものづくり】浜松から世界的ブランド「KUSHITANI」誕生

スズキ、ホンダ、ヤマハなど、世界に名だたるオートバイメーカーの創業の地である浜松市は、日本のバイク文化発祥の地であり、バイクファンの聖地でもあります。市内には、オートバイ関連の企業や施設がたくさん立地しており、また、「バイクのふるさと浜松」をはじめとしたバイクファン向けのイベントも開催されるなど、浜松市とオートバイ産業は深い関わりがあります。

バイク用レーシングスーツの世界的メーカーである「KUSHITANI(株式会社クシタニ)」の代表取締役社長 櫛谷 久さんにお話を伺います。
【ものづくり】浜松から世界的ブランド「KUSHITANI」誕生

「KUSHITANI」の名を知らないバイクファンはいない-- そう言っても過言ではないほどバイクファンに愛されているレーシングスーツ(革ツナギ)などのオートバイ用革製品の世界的なブランド、「KUSHITANI」。日本全国だけでなく、欧米、アジアにも展開し、世界のトップライダーが愛用するブランドです。
そのルーツは古く、戦後間もない1947年に、ハンドバッグや財布などの革製品を製造販売する「櫛谷商店」として、現在の櫛谷 久社長の両親が、夫婦たった二人で浜松市内に創業したことから始まります。
 その丁寧な“手作業”により生み出される革製品はクオリティが高いという評判が広がり、県内でも評判の店として知られていました。
1952年、櫛谷商店に一本の電話が入りました。その電話の主は、浜松に本社を置く世界的オートバイメーカー「スズキ」。世界的にも注目され、1907年から続く由緒あるオートバイレース「マン島TTレース」に参加するための『革ツナギを作って欲しい』という依頼でした。

レーシングスーツは、体に合わせて立体的に制作されるため、機械による自動化が出来ない特殊な製品です。またライダーの命を守る大切なアイテムであり、さらに当時レーシングスーツを製造するメーカーは国内にない、という状況でした。もちろん櫛谷商店にとっても全く経験のないことでしたが、スズキの担当者からの「本革製品を熟知し、優れた製品を作り上げる技術力は、安全性を最重要視するオートバイの分野でこそ生かされるべきだ」との熱いラブコールに、櫛谷夫妻は未知なる世界に飛び込むことを決意しました。これが世界のトップライダーから愛される「KUSHITANI」ブランド誕生の瞬間です。
とにかくライダーのニーズを深く知るために、ライダーはもちろん、メカニック、メーカー担当者等、ありとあらゆる人々へ徹底的にヒアリングを行い、また海外のツナギを見よう見まねで研究し、何度も何度も試作品を作り直し、試行錯誤を繰り返した結果、1955年、ライダーが求める「最高のツナギ」がついに誕生します。

「オートバイについての知識もノウハウも無かったにもかかわらず、ライダーの安全のために、とにかく行動に移してみるという、“やらまいか精神”(※1)が、革ツナギという難しい製品を作り上げる原動力だったのだろうと思います。そして、“ライダーの安全のために尽力する”という姿勢は、現在までずっと変わらず受け継がれています」と、櫛谷社長は語ります。

(※1:“やらまいか精神”とは、「あれこれ考える前に、とにかくやってみようじゃないか」と行動に移す、浜松市民特有の気質。)
【ものづくり】浜松から世界的ブランド「KUSHITANI」誕生
創業当時の「櫛谷商店」



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Posted by 出世大名家康くん at 14:41│Comments(0)ものづくり
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